<今日の表紙> 昨夜の伊勢神宮での式年遷宮のクライマックスの遷御の儀
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二十年に一度の式年遷宮で、御神体を旧殿から新殿へ遷す儀式で、遷宮行事の中核神事です。002


安倍総理大臣も参列しています。004


神宮入口の鳥居の前で、見守っている人へのインタビューです。008


さて、今日は、僕の大好きな分子生物学者の福岡伸一先生の著書「生命の逆襲」の紹介をします。010


紀伊国屋の科学書のコーナーに福岡先生の本が並んでいるのを見つけた時は、嬉しくなりました。003


生命の 不思議な世界 覗けます 紀伊国屋書店 福岡コーナー

その本の中に、今日紹介する「生命の逆襲」がありました。朝日新聞のAERAに連載された生物学コラムを編集したものです。011


では、僕が印象に残った部分を抜粋して書きますね。

<アダムはイブから作られた>より
X染色体に比べ、Y染色体は小さく、3分の1ほどのサイズしかありません。その上に乗っている遺伝子の数も極端に少ないのです。つまり、生物学的に男性は女性に比べ本来的に「足りない」ものなのです。男性が女性より寿命が短いのも、無理に作り変えられたことによる生物学的負荷のせいではないかと私は考えています。

<カタツムリの巧妙な性生活>より
ところで雌雄同体のカタツムリ、いったいどのようにして子孫を残すのでしょうか。カタツムリの生殖器は体の横についています。普段は見えませんが生殖孔という穴があり、その奥に陰茎と膣の両方があるのです。さらに奥には精巣と卵巣があります。2匹のカタツムリが出会うと、生殖孔を近づけあいます。身体の同じ側に穴があるので、当然、シックスナイン型にすり寄り、体をくっつけることになります。すると生殖孔から陰茎が伸びてきて、互いに相手の生殖孔に差し込むのです。射精が起こり、相手の体内に精子が送りこまれます。受精が成立し、2匹同時に妊娠することになります。

<じっと動かないトカゲを振り向かせるワザ>より
彼らにとっての情報は動きです。それもすばやい動き。つまり光の点の速い変化が視角情報となるのです。それはエサとなる虫の飛翔だったり、空から舞い降りてくる鳥の影だったり。そのような変化量に彼らは極めて敏感に反応します。
爬虫類館の動かないトカゲを振り向かせるワザを伝授しましょう。彼の目の前で、指先を思いっきりすばやく横に動かすのです。トカゲはキッとして、その三角形の頭を振って動きの行方を追うことでしょう。

<生命は逆襲のチャンスを待っている>より 
イギリスBBCが撮影した生物ドキュメント映画「ライフ」を見ていたら、このコドモオオトカゲの狩りの映像が出てきました。私はその様子に釘付けになってしまいました。
・・・・・・コモドオオトカゲは、水牛の背後からそっと接近していきます。・・・・・様子をうかがい、間合いを見計らいながら、一瞬のすきをついて、水牛の後ろ脚を、ほんのひと噛みだけするのです。そしてすばやく退却してしまいます。・・・・コモドオオトカゲの唾液には血液の凝固を阻害する作用があるといいます。小さな傷はなかなかふさがりません。あたりは一面の浅い水と泥。破傷風など、凶悪な細菌だらけです。水牛の免疫系は押し寄せる細菌の前に、徐々に後退を余儀なくされていきます。・・・・・・この間、コモドオオトカゲは何をしているのでしょうか。・・・つまり、彼らは待っているのです。コモドオオトカゲは待つことができるのです。しかも、何週間にもわたって。水牛が十分に弱るまで。足もとがふらついた水牛はいまにも倒れそうです。その機に乗じて、コモドオオトカゲがようやく襲いかかります。集団で。・・・・・・
コモドオオトカゲは自然に起きることをただ待っているだけではありません自ら行動した上で待っているのです。時限爆弾を仕掛けた上で、その結果起きるであろうことを期待して待っているのです。
私たちヒトは、自分たちだけが高度な知性を持つ生命体だといつも自負しています。人間だけに心の動きがあるとと信じています。でもそんなことはありません。待つというのはなかなか高等な心の作用です。生命はいつも逆襲のチャンスを狙っているのです。

このほか、目からうろこが落ちる内容が満載です。

人間の世界は、あくまでも自然の一部だということがよくわかります。

      今日の曲は、高橋真梨子 ラストメール